『ママへ。
ミシロタウンを出てだいぶ経ちました。
博士に貰ったミズゴロウもラグラージに進化したし、
博士に頼まれたポケモン図鑑も完成に近付いてます。
今、私は木の実名人を目指して一生懸命頑張っています。』
何か間違った方向へ向かいつつあるメールを打っているのは。
トウカシティでジムリーダーをしている父を持つポケモントレーナー。
現在、彼女は木の実名人の庭先で、白昼堂々許可無く木の実の育成に勤しんでいる。
母親に『木の実名人を目指す』と言い放っただけあって、その姿は中々板についている。
彼女はこれでも、実は、ポケモンリーグのチャンピオンである。
いやマジで。
チャンピオンであったダイゴを倒したのだから、間違い無く は新チャンプだ。
そんな新チャンプは現在木の実名人を目指しているらしい。
何の為にダイゴをチャンピオンの座から引きずり落としたのか。
新チャンプになって数日、
とある森の中で野宿をしていたは、
「欲しくてたまらないけど、手に入れた途端に要らなくなるものってあるよね。」
と、ポケモンのサーナイトにそりゃもう可愛らしい笑顔で呟いていたらしい。
それを聞いたダイゴは密かに涙したとかしなかったとか。
まだ『行く』なんて一言も言ってないのに、
待ってましたと言わんばかりなジャストタイミングでランニングシューズを渡し、
玄関前に娘を残し、渡すもん渡してさっさと家に入ってしまった母親や、
『ジムバッチを4つ集めたら戦ってやろう!』とか言いながら、
言われた通り、素直にバッチを4つ勝ち取って来た娘にアッサリ返り打ちにあわされ、
『バッチゲット出来るだけ実力がつく前に1戦交えて父の偉大さをアピ−ルしとけば良かったのに』
とツッコまざるを得ない、怠ける手持ちポケモンを持つ父親。
可愛い一人娘を旅に出すのに3万円しか持たせない、そんな2人を両親に持つだが、
まぁともあれ、さすが新チャンプなだけあってトレーナーとしては申し分ない。
さらにオマケにM字カットな父親と違い、誰が見ても認めるであろう可愛らしい少女である。
そんなが一人旅。
可愛い女の子が一人旅である。
そりゃあ世の正常な男性達が放っておくはずがない。
旅立ち当初はかなり心配だったが、最強になった今となっては彼女を脅かすものはいない。
には心強い味方、ポケモンがついている。
ついでにいらんスト−カ−達(複数形)もついている。
「枯れ木に花を咲かせましょ〜〜〜♪」
御機嫌で木の実を埋めた場所にジョウロで水をやる。
ついでに手持ちポケモンのハスボーにも水をやっている。
枯れてもいないし、木でもない。(埋めたばっか)
それ以前にここは人様の庭先である。
しかしに取ってそんな事はLV5のコイキングくらいどうでもいいことなのだ。
この歳で一人旅に放り出されれば、厭が応にも逞しくなる。
「…相変わらずワケ分かんないことしてるな…」
それを草葉の陰から覗く人影。
のお隣さんにして、ストーカーその1。
が旅に出される元凶を作った博士を父に持つ少年、ユウキである。
彼はが旅に出てからそっち、自分なりに好き勝手動いてるように見えて、
その実はの旅路を追っていたりする筋金入りのストーカー少年である。
その証拠に、家に戻ったはずの彼はがチャンピオンに勝った直後、
父親と共に部屋に嵐のごとく乱入して来た。
どうでも良いが彼は四天王を全員倒して来たのだろうか。
「ちゃん…最近姿を見ないと思ったらこんな所に…」
そしてまた別の角度からを見つめる人影。
ポケモンリーグ元チャンピオンであり、ストーカーその2。
大会社デボンの社長子息のツワブキ ダイゴである。
彼はクールそうな外見とは裏腹に実に面倒見が良く、
会う度にに役立つ情報やアイテムを提供してくれている。
オマケに最近では自分とお揃いのポケモンまでくれるという懐の広さだ。
言い換えれば、あの手この手でを懐柔しようとする策士家と言えよう。
一体彼はいつになったらチャンピオンの部屋をに譲ってくれるのだろうか。
「さんの出入りは少ないし…サイユウじゃなくてここに移動しようかな…」
さらにまた別角度からを見つめる人影。
イトコの家から姿をくらまし、監督不行届き問題を勃発させんとするストーカーその3。
シダケタウンで異常な回復能力を発揮したミツルである。
彼はシダケの家から姿をくらましてからそっち、どこで何をしていたんだか知らないが、
健康優良児と言うには余りにも度が過ぎる程に丈夫になった。
そして天然無自覚で人が弱った時を狙ってポケモン勝負を挑んで来るツワモノだ。
チャンピオンロードでのあの不意打ちは忘れようったって忘れられない。
『空を飛ぶ』を使えるようになって尚連絡すらしない程、彼と両親の繋がりは薄いのだろうか。
とにもかくにも、今現在のストーカーの主格はこの3人である。
全員かなりの実力者なだけに、が強くて良かったと思わざるを得ない。
一方は今まさにストーカー被害に遭っているとは露知らず、
水を撒き終えて御満悦だ。
「よぉし!あとは時間が経つのを待つだけ♪
じゃ、適当にポケモン集めにでも行こっか、サーナイト。」
旅に出た当初から一緒に居るサーナイトに微笑む。
スト−カ−達はそれだけでもう悶絶だ。
一刻も早く『空を飛ぶ』で逃げることをお勧めしたい。
「!久しぶりだな!ちゃんとポケモン育ってるか俺が見てやるよ!」
「やぁちゃん。僕もあれから修行してそれなりに強くなったんだ、勝負してみないかい?」
「さん!僕また強くなったよ!戦ってくれませんか?」
あ!野生のストーカーが飛び出して来た!(すげぇイヤ)
野生で生息していたら、ただただ迷惑なストーカー3人衆がの前に現れたのは同時だった。
突然の襲撃に驚いたは、
「ラグラージ破壊光線―――――ッッッ!!!!!!」
思わず攻撃した。
ストーカーに対する行動として至極当然。
破壊光線と言うのはいささかやり過ぎな感じはするが、妥当な行為と言えよう。
ストーカー共は腐っても元チャンプなダイゴ以外はダメージを負ったようだ。
「驚かせてしまったようだね、大丈夫だよちゃん。」
「……ダイゴさん…?」
ダイゴが居る限り『大丈夫』なんてことはまかり間違っても有り得ないが、
にとってダイゴは尊敬する人なので直ぐさま謝罪する。
「ごめんなさい――ッ!まさか人だとは思わなくて…!!」
「いや、大丈夫だよ。邪魔者も吹き飛んだようだしね。」
「え??」
「なんでもないよ。所で、今からどこかに行くのかい?」
「え?…ああ、木の実が育つまでポケモン探しに行こうかと思って…」
「僕も一緒に行っても良いかな?」
「良いですけど?」
「丁度りゅうせいの滝に用があるんだけど、どうかな?」
「はい!オッケーです!」
「ありがとう、それじゃ、行こうかvv」
ダイゴはあざとくと約束を取り付け、
さり気なくの肩に腕を回し、ちゃっちゃとエアームドで飛び去った。
流石チャンピオン。
行動に無駄がない。
一方、の破壊光線に沈んだミツルとユウキは、
「やってくれるなチャンピオン……」
「でも最後に勝つのは僕です…
僕にはあの人にない『輝く若さ』があるんだ!」
「それはともかく。(スルー)
早くを助けに行かないと…あいつ結構天然だし。」
「りゅうせいの滝って言ってましたけど…」
「絶対ウソだよな。」
「絶対ウソですよね。」
その通り。
わざわざライバル達の居る前で行き先を言っていくわけがない。
きっと今頃りゅうせいの滝は、やたらとエンカウント率が上がっていることだろう。(妨害工作)
どこまでも用意周到なチャンピオン。
無関係な一般人にはエライ迷惑だ。
「備えあれば憂い無しだね。」
「?なんのことですか?」
「いや、なんでもないよv」
ちなみにその頃、
ダイゴはミナモデパートで金にモノを言わせ、
に好きなだけポケモングッズを買い与えていた。
「買い物が済んだらパフェでも奢ってあげようね。」
「わぁいvv」
こうして彼は着々との株を上げていくのだった。
『パパへ。
私は木の実名人を目指して頑張ってます。(脱線さらに確定)
最近はダイゴさんが良く遊びに来てくれます。
ミナモデパートでグッズを買ってくれたりパフェを奢ってくれたりします。
でもダイゴさんが来るとポケモン達がそわそわします。
この間グラエナはダイゴさんに咬みつこうとしてました。
なんでかなぁ?
―――――――――――――― より。』
その後、
トウカシティのジムリーダーが、
デボン社に乱入したと言うニュースが流れた。
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+イイノガレ+
浬さんへ。
やってみたけど玉砕★
駄目だったよ………!!!!!!!
個人的ラスボスなミツルくんをダイゴさんが出し抜いたよ。すごい。
文章中で『ミツル』って呼び捨てるのすら躊躇われたくらい
『ミツル恐怖症』が進行してます私。
ああ、ちなみにちゃんが買ってもらった人形。
デボン社オリジナルのメタグロス人形だったに1票。
そしてダイゴさんとお揃いです。絶対。
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