ホグワーツには今、有名な3人組がいた。

内2人は、悪戯常習犯のウィ−ズリ−家の双子。

残る1人は、ジョージとフレッドをも凌ぐ悪戯好き、
















「ジョージッ!」

「行ったぞ、フレッドッ!」

「…懲りないわね…」


最近では、もはや日常茶飯事になった会話がグリフィンド−ル談話室に響く。
ジョージとフレッドは、 に縮み薬を盛られて以来、
なんとかに仕返しをしてやろうと躍起になっていた。
しかしは、


「まだまだ考えが浅いわよ二人とも?」


どんな小さな悪戯にも引っ掛かる事はなかった。
それどころか、


「うわっ!?」

「フ、フレッド!?」

「引っ掛かったわね〜♪」


返り討ちに合わせていた。
彼女が戦国の武将だったなら、天下統一出来たに違いない。


「さぁ、女子寮に帰りましょ?」

「えっ?あ…う、うん。」


ジョージとフレッドをこてんぱんにノしたは上機嫌で去って行く。
彼女の背後には大輪の薔薇の花が飛び交っていた。(オプション扱い)

最近では見慣れられるようになったこの光景も、最初は誰もが目を疑った。
は素行真面目で、成績も優秀、なにより大人しく、
先生達の言う事には素直に従ったし、模範生としての名も高かった。
校則違反とは対極に位置していたのだ。

次期監督生を約束された彼女のもう1つの顔。
『無類の悪戯好き』
彼女はジョージとフレッドを凌ぐ程に悪戯を糧としているのだ。


「…驚いたわ。」

「何が?」

がこんな事したりするとは思わなかった。」

「真面目で大人しいさんだもんね?」

多少黒いのは知ってたけど…」

「率直な意見を有難うv」


入学当時からの親友であった者ですら、
彼女の本性をほんの少しだけ理解していただけだった。

ジョージとフレッドが表の悪戯実行犯なら、は裏の悪戯実行犯。
しかもの場合、それと気づかれずに成し遂げる所がタチが悪い。
今までの成し遂げた悪戯で、彼女の仕業だとバレたものは1つもない。
それ以前に、『誰かの悪戯だ』と思われたこと自体がない。

彼女は最もタチの悪いタイプなのだ。


「だ、大丈夫かフレッド?」

「くそぅ…のヤツ…いつの間に落とし穴なんか掘ったんだ…?」


もはや公共物破損レベルである。


「ジョージくん。」

「なんだいフレッドくん。」

「これは…」

「ああ。」

「「我らの名に掛けて何が何でもを罠に掛けてやろう!!!!」」


『悪戯』じゃなく『罠』な所が、彼らが本気になった証拠だった。















「やぁ♪」

「あら、おはようジョージ。」

「おはよう、今日も可愛いね♪」

「ありがとうvで、フレッドはどこに?」

どこかで私の隙を狙ってるのかしら?

やだな、そんなことないさ!

うふふ。あの石像の裏辺り?

(ギクッ)

「と、ところで!」


の恐ろしいまでに的確な指摘に、ジョージは顔を引きつらせながらも笑顔を作る。
ここで負けるわけにはいかない。彼らの計画は既に始まっているのだ。


「なに?」

「今晩、暇かな?」

「?どうして?」


『今晩』というキーワードに、珍しく頭を傾げる
別に男子寮に入る事に抵抗はないし、夜中に歩き回る事にも抵抗はないが、
今まで散々仕返しをしようとしていたジョージが、自分を誘う事に素直に驚いたのだ。
もっとも、そこで仕返しがないかと言えば、そうはいかないのだろうが。


「実は、昨日ゾンコで新しいアイテムをゲットしたんだ。」

「…ふぅん。」


何にやら含みのありそうな返事を返す
ジョージは内心ヒヤヒヤしながらも、話を続ける。


「で、今晩スネイプにそれを仕掛けてやろうと思うんだ。」

「スネイプ先生?」

「そう!そこで、だ!にもそれを手伝って欲しいんだ。」

「…どうして私?仕返ししたかったんでしょ?」

「それとこれとは別問題さ!成功させる為にはの力が必要なんだよ!」

「………何をすれば?」

「そうこなくっちゃ♪」

「OK取れたか、ジョージ!?」

「バッチリだフレッド!」

「まだ『OK』とは言ってないけど?」

「「気にしない気にしない!」」


の予想通り、石像の裏に隠れていたフレッドが姿を現す。


「手筈は今晩説明するよ。0時に談話室。OK?」

「………OKよ。」

「サンキューv!」

「ところで。」

「「なんだい?」」

「なんでフレッドは隠れたのかしら?」

「え…」

「そ、それは―…」


が笑顔で聞き出した所、どうやらフレッドは拉致役(笑)で、
が了解しなければ、袋に詰めて連れ去る手筈だったとのことだった。
強行手段も良い所である。は呆れたようにタメ息をつく。


「残念だけど、私にそのテのことは通用しないわよ?」

あ。ジョージv動かないでね?

え?

危ないからv

えぇッッッ!?


ジョージに動かないよう言うと、はスッと1歩下がり、
トンッと軽く勢いをつけて前に出て、くるりと身体をひねった。



ビュッ!!!!!



ジョージの左頬スレスレの位置を上段の蹴りが掠めた。
のヘビ−級並みの蹴りが。

ジョージとの身長差で、ほとんど90度に蹴りを繰り出した為、
ひらりとのスカートとローブが舞う。
どう考えてもジョージは役得のような気がしないでもないが、
ジョ−ジ自身は、あまりの出来事に身動き取れずに居た。(当たり前)

しかしは飄々と、


「落ち葉。」

「…へ?」

「落ち葉、ついてたわよv」


は地面に落とされた1枚の落ち葉を拾い上げると、
ジョージの手の平に乗せる。


「じゃ、今夜0時に談話室ね?」


はそれだけ言うと、スキップしながら次の授業へと向かってしまった。
残されたジョージとフレッドは、未だ硬直。


「平気かジョージ?」

「ああ。」

には驚かされっぱなしだな〜」

「…まったくだ。これはいけないな。」


ジョージとフレッドは手の平に乗せられた落ち葉を見遣る。


「で、見えたか?」

「白。」


やはり転んでもタダでは起きない双子だった。















時間は進んで、午前0時。
ジョージとフレッドとの約束の時間である。
は、ぽつんと談話室の暖炉の前に居た。
呼び出しそのものが悪戯では、とも思ったが、それ程低俗な悪戯をする2人ではないだろう。
と素直に談話室にやって来たのだった。
そしてそれは正解で、2人はすぐにやって来た。


「レディーを待たせるなんてマナ−違反よ?」

「ああ!大変申し訳ありません姫!」

「どうかこの愚かな我らに今一度チャンスを!」


がわざとムスッとしたような言い方すると、
ジョージとフレッドも面白そうに大芝居をする。
はクスクス笑うと、


「今回だけは許してあげる。」

「「有り難うございます姫!!」」


ジョージとフレッドはの手を取ると、キスをするマネをする。
そして、本日の悪戯メニューを説明した。
もそれを了承すると、3人揃ってスリザリン寮監の部屋へと向かった。


―その数分後―


静かな夜のホグワ−ツに哀れにもターゲットにされた、
魔法薬学の教授の怒声が響いた。















「やったぜ!」

「大成功だ!」

「あの爆薬の量を設定したのはどっち!?」


何かを成し遂げた人間の顔で、3人はグリフィンドール談話室に駆け戻って来た。
大はしゃぎのジョージとフレッドに、楽しそうではあるが、少し顔を顰めている
の問いかけに、フレッドが自慢げに答える。


「僕さ!絶妙だっただろ?」

「そうだけど…ちょ〜っと大過ぎやしなかった?」

「そんなことないさ!」


フィルチは嫌いだが(には親切な)スネイプは、割と好きの類いに入る
『明日毛生え薬持ってってあげよう』と、いらん世話な事を考えていると、


「「!祝賀会だ!」」

「…はぁ?」

「悪戯成功の祝賀会さ!」

「僕達の部屋に行こう!」

「そんなのいちいち…」


の言葉も聞かず、上機嫌のジョージとフレッドは、
を引きずって部屋に戻って行った。


「ほら、ホグズミードから大量に仕入れて来たバタービールだよ」

「ありがと。」


にバタービールを差し出すフレッド。


「見たか?あのスネイプの顔!?」

「ああ!写真撮っといて正解だったな!」

「あのシャッタ−音はやっぱり写真だったの?」

「「もちろん!」」


自分に負けず劣らずな抜け目のなさの2人に、は苦笑する。
そして素直に、ジョージとフレッドと居るのが楽しいと思った。


「私の出番はなかったわね?」

「スネイプのヤツ、思いのほか寝ぼけてたからな〜」

「見つかりそうになったらにフォローして貰おうと思ってたのにさ!」


スネイプがを気に入っている所を突いた、狡猾な作戦。
絶対にタ−ゲットにされたくない犯罪者予備軍(爆)たちだ。
関係ないが、午前0時に完全に眠っているとなると、
魔法薬学教授は、意外にも規則正しい生活を送っているようだ。(ほんと関係ねぇ)

そのまま、ジョージとフレッドとは悪戯話に華を咲かせた。



そして30分が過ぎた頃。



「あ………れ………?」


まず始めにジョージが奇妙な声を上げた。


「な、なん…だ……??」


続けてフレッドも声を上げる。
その様子を、は、それはもう満面の笑みで見つめる。


「「………?」」


『どうしてッッ!!??』と言いたそうだが、呂律が上手く回らない。
そこで、にこにこ微笑んでいたがやっと口を開く。


「ねぇ?ジョージ、フレッド?」


―…怖いくらいの笑みだ。


「バタービールには、何が入ってたのかしらね?」



―…爆弾発言投下。











愕然。











「「そん……なぁ…………(泣)」」

「眠り薬…は即効性だし、違うわね。」


は人差し指で顎を押さえて、いかにも楽しそうに背を向けて推理する。


「ここは順当に…」


くるんと綺麗な髪を靡かせて振り向くと、


「私のバタービールに、アルコール大量に入れたわね?」


―その通り。

ジョージとフレッドの『罠』とは、を悪戯に誘い、油断させ、
祝賀会と称してバタービールを勧め、酔いつぶれさせてやろう!

―というものだったのだ。

常識から考えれば、かなり危ない発案だが、悪戯目的であったジョージとフレッドには、
やましい気持ちは少ししかなかった。全体の20%くらい。(微妙)

しかし、はバタービールを勧められた時点で、この計画に勘付いたのだ。
何故って、それはだから。(殴)


「悪いけど、男子寮で酔いつぶれるわけにはいかないの。
 だから、貴方達のバタービールと交換させてもらったわよv」



いつの間に。




恐るべし、である。
流石、50%だけ忍者(日本)の血が流れているだけはある。
いや、だけだよって感じがしないでもない。むしろだけだ。
こういった所から、日本人の間違ったイメージが生まれるのだろう。


「さーて♪明日も早いし、私はこれでお暇しようかしら?」


は、チラリと強力な睡魔と格闘しているジョージとフレッドを振り返る。
そして、そっと2人に布団を掛ける。


「じゃ、帰るわね。そんな所でご苦労様、リー。」


『おやすみv』と、は部屋を後にする。


「……強いなぁ…」


そんな声が聞こえて、ベットの下からリーが這い出て来た。(功労賞)
ベットから這い出て来たリ−は、すでに完璧に眠りの虜となった悪戯好きの親友2人を見、


「まぁ、これ見たら“仕返し”はしなくなるかな…」


と、今さっき撮った写真をパタパタと振った。





そこには、

睡魔と戦うジョージとフレッドに、

優しい微笑みを浮かべて布団を掛けてやっているの姿。





「ライバル増えるのはあんまり好ましくないんだけどなぁ…」


『でも面白い』と、根っからのトラブル好きなリーはタメ息をつく。





次の日、

流石と言うか何と言うか、

二日酔いを逃れたジョージとフレッドの2名は、

リーから貰った(奪った)写真を胸に、

女子寮から姿を現したに抱きつき、

の両の頬キスを贈った。

当然は驚いたので、これで仕返しは成功したと言えよう。

しかし、

悪戯好きのツインズの目的は既にすり変わっており、

この日を境に、

は仕返し以外の理由で、

ジョージとフレッドに追いかけ回される事になった。



















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+イイノガレ+

6500Hit…………v
6500Hitですよ?スッゲーーーーーーッッvvv(殴)
―……スンマセン。遅くなりました。(土下座)
しかもまただよ。またドリームじゃないよ…
ぜんっぜん双子夢ちゃうやんか…!!!!!
ただ単にさん最強伝説に拍車を掛けてるだけじゃん!
―すみませんねぇカイリさん。
でもリクしたのは貴女!貴女です!!
返品可。
返品しても良いから生身に直接攻撃はやめて下さい。








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