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ホグワーツには今、有名な3人組がいた。
内2人は、悪戯常習犯のウィ−ズリ−家の双子。
残る1人は、ジョージとフレッドをも凌ぐ悪戯好き、
・。
□
「ジョージッ!」
「行ったぞ、フレッドッ!」
「…懲りないわね…」
最近では、もはや日常茶飯事になった会話がグリフィンド−ル談話室に響く。 ジョージとフレッドは、
に縮み薬を盛られて以来、
なんとかに仕返しをしてやろうと躍起になっていた。 しかしは、
「まだまだ考えが浅いわよ二人とも?」
どんな小さな悪戯にも引っ掛かる事はなかった。 それどころか、
「うわっ!?」
「フ、フレッド!?」
「引っ掛かったわね〜♪」
返り討ちに合わせていた。
彼女が戦国の武将だったなら、天下統一出来たに違いない。
「さぁ、女子寮に帰りましょ?」
「えっ?あ…う、うん。」
ジョージとフレッドをこてんぱんにノしたは上機嫌で去って行く。 彼女の背後には大輪の薔薇の花が飛び交っていた。(オプション扱い)
最近では見慣れられるようになったこの光景も、最初は誰もが目を疑った。 は素行真面目で、成績も優秀、なにより大人しく、 先生達の言う事には素直に従ったし、模範生としての名も高かった。 校則違反とは対極に位置していたのだ。
次期監督生を約束された彼女のもう1つの顔。 『無類の悪戯好き』 彼女はジョージとフレッドを凌ぐ程に悪戯を糧としているのだ。
「…驚いたわ。」
「何が?」
「がこんな事したりするとは思わなかった。」
「真面目で大人しい・さんだもんね?」
「多少黒いのは知ってたけど…」
「率直な意見を有難うv」
入学当時からの親友であった者ですら、
彼女の本性をほんの少しだけ理解していただけだった。
ジョージとフレッドが表の悪戯実行犯なら、は裏の悪戯実行犯。 しかもの場合、それと気づかれずに成し遂げる所がタチが悪い。 今までの成し遂げた悪戯で、彼女の仕業だとバレたものは1つもない。 それ以前に、『誰かの悪戯だ』と思われたこと自体がない。
彼女は最もタチの悪いタイプなのだ。
「だ、大丈夫かフレッド?」
「くそぅ…のヤツ…いつの間に落とし穴なんか掘ったんだ…?」
もはや公共物破損レベルである。
「ジョージくん。」
「なんだいフレッドくん。」
「これは…」
「ああ。」
「「我らの名に掛けて何が何でもを罠に掛けてやろう!!!!」」
『悪戯』じゃなく『罠』な所が、彼らが本気になった証拠だった。
□
「やぁ♪」
「あら、おはようジョージ。」
「おはよう、今日も可愛いね♪」
「ありがとうvで、フレッドはどこに?」
どこかで私の隙を狙ってるのかしら?
やだな、そんなことないさ!
うふふ。あの石像の裏辺り?
(ギクッ)
「と、ところで!」
の恐ろしいまでに的確な指摘に、ジョージは顔を引きつらせながらも笑顔を作る。 ここで負けるわけにはいかない。彼らの計画は既に始まっているのだ。
「なに?」
「今晩、暇かな?」
「?どうして?」
『今晩』というキーワードに、珍しく頭を傾げる。 別に男子寮に入る事に抵抗はないし、夜中に歩き回る事にも抵抗はないが、 今まで散々仕返しをしようとしていたジョージが、自分を誘う事に素直に驚いたのだ。 もっとも、そこで仕返しがないかと言えば、そうはいかないのだろうが。
「実は、昨日ゾンコで新しいアイテムをゲットしたんだ。」
「…ふぅん。」
何にやら含みのありそうな返事を返す。 ジョージは内心ヒヤヒヤしながらも、話を続ける。
「で、今晩スネイプにそれを仕掛けてやろうと思うんだ。」
「スネイプ先生?」
「そう!そこで、だ!にもそれを手伝って欲しいんだ。」
「…どうして私?仕返ししたかったんでしょ?」
「それとこれとは別問題さ!成功させる為にはの力が必要なんだよ!」
「………何をすれば?」
「そうこなくっちゃ♪」
「OK取れたか、ジョージ!?」
「バッチリだフレッド!」
「まだ『OK』とは言ってないけど?」
「「気にしない気にしない!」」
の予想通り、石像の裏に隠れていたフレッドが姿を現す。
「手筈は今晩説明するよ。0時に談話室。OK?」
「………OKよ。」
「サンキューv!」
「ところで。」
「「なんだい?」」
「なんでフレッドは隠れたのかしら?」
「え…」
「そ、それは―…」
が笑顔で聞き出した所、どうやらフレッドは拉致役(笑)で、 が了解しなければ、袋に詰めて連れ去る手筈だったとのことだった。
強行手段も良い所である。は呆れたようにタメ息をつく。
「残念だけど、私にそのテのことは通用しないわよ?」
あ。ジョージv動かないでね?
え?
危ないからv
えぇッッッ!?
ジョージに動かないよう言うと、はスッと1歩下がり、 トンッと軽く勢いをつけて前に出て、くるりと身体をひねった。
ビュッ!!!!!
ジョージの左頬スレスレの位置を上段の蹴りが掠めた。 のヘビ−級並みの蹴りが。
ジョージとの身長差で、ほとんど90度に蹴りを繰り出した為、 ひらりとのスカートとローブが舞う。 どう考えてもジョージは役得のような気がしないでもないが、 ジョ−ジ自身は、あまりの出来事に身動き取れずに居た。(当たり前)
しかしは飄々と、
「落ち葉。」
「…へ?」
「落ち葉、ついてたわよv」
は地面に落とされた1枚の落ち葉を拾い上げると、 ジョージの手の平に乗せる。
「じゃ、今夜0時に談話室ね?」
はそれだけ言うと、スキップしながら次の授業へと向かってしまった。 残されたジョージとフレッドは、未だ硬直。
「平気かジョージ?」
「ああ。」
「には驚かされっぱなしだな〜」
「…まったくだ。これはいけないな。」
ジョージとフレッドは手の平に乗せられた落ち葉を見遣る。
「で、見えたか?」
「白。」
やはり転んでもタダでは起きない双子だった。
□
時間は進んで、午前0時。 ジョージとフレッドとの約束の時間である。 は、ぽつんと談話室の暖炉の前に居た。 呼び出しそのものが悪戯では、とも思ったが、それ程低俗な悪戯をする2人ではないだろう。 と素直に談話室にやって来たのだった。 そしてそれは正解で、2人はすぐにやって来た。
「レディーを待たせるなんてマナ−違反よ?」
「ああ!大変申し訳ありません姫!」
「どうかこの愚かな我らに今一度チャンスを!」
がわざとムスッとしたような言い方すると、 ジョージとフレッドも面白そうに大芝居をする。 はクスクス笑うと、
「今回だけは許してあげる。」
「「有り難うございます姫!!」」
ジョージとフレッドはの手を取ると、キスをするマネをする。 そして、本日の悪戯メニューを説明した。 もそれを了承すると、3人揃ってスリザリン寮監の部屋へと向かった。
―その数分後―
静かな夜のホグワ−ツに哀れにもターゲットにされた、 魔法薬学の教授の怒声が響いた。
□
「やったぜ!」
「大成功だ!」
「あの爆薬の量を設定したのはどっち!?」
何かを成し遂げた人間の顔で、3人はグリフィンドール談話室に駆け戻って来た。 大はしゃぎのジョージとフレッドに、楽しそうではあるが、少し顔を顰めている。 の問いかけに、フレッドが自慢げに答える。
「僕さ!絶妙だっただろ?」
「そうだけど…ちょ〜っと大過ぎやしなかった?」
「そんなことないさ!」
フィルチは嫌いだが(には親切な)スネイプは、割と好きの類いに入る。
『明日毛生え薬持ってってあげよう』と、いらん世話な事を考えていると、
「「!祝賀会だ!」」
「…はぁ?」
「悪戯成功の祝賀会さ!」
「僕達の部屋に行こう!」
「そんなのいちいち…」
の言葉も聞かず、上機嫌のジョージとフレッドは、 を引きずって部屋に戻って行った。
「ほら、ホグズミードから大量に仕入れて来たバタービールだよ」
「ありがと。」
にバタービールを差し出すフレッド。
「見たか?あのスネイプの顔!?」
「ああ!写真撮っといて正解だったな!」
「あのシャッタ−音はやっぱり写真だったの?」
「「もちろん!」」
自分に負けず劣らずな抜け目のなさの2人に、は苦笑する。
そして素直に、ジョージとフレッドと居るのが楽しいと思った。
「私の出番はなかったわね?」
「スネイプのヤツ、思いのほか寝ぼけてたからな〜」
「見つかりそうになったらにフォローして貰おうと思ってたのにさ!」
スネイプがを気に入っている所を突いた、狡猾な作戦。
絶対にタ−ゲットにされたくない犯罪者予備軍(爆)たちだ。 関係ないが、午前0時に完全に眠っているとなると、 魔法薬学教授は、意外にも規則正しい生活を送っているようだ。(ほんと関係ねぇ)
そのまま、ジョージとフレッドとは悪戯話に華を咲かせた。
そして30分が過ぎた頃。
「あ………れ………?」
まず始めにジョージが奇妙な声を上げた。
「な、なん…だ……??」
続けてフレッドも声を上げる。 その様子を、は、それはもう満面の笑みで見つめる。
「「………?」」
『どうしてッッ!!??』と言いたそうだが、呂律が上手く回らない。 そこで、にこにこ微笑んでいたがやっと口を開く。
「ねぇ?ジョージ、フレッド?」
―…怖いくらいの笑みだ。
「バタービールには、何が入ってたのかしらね?」
―…爆弾発言投下。
愕然。
「「そん……なぁ…………(泣)」」
「眠り薬…は即効性だし、違うわね。」
は人差し指で顎を押さえて、いかにも楽しそうに背を向けて推理する。
「ここは順当に…」
くるんと綺麗な髪を靡かせて振り向くと、
「私のバタービールに、アルコール大量に入れたわね?」
―その通り。
ジョージとフレッドの『罠』とは、を悪戯に誘い、油断させ、 祝賀会と称してバタービールを勧め、酔いつぶれさせてやろう!
―というものだったのだ。
常識から考えれば、かなり危ない発案だが、悪戯目的であったジョージとフレッドには、
やましい気持ちは少ししかなかった。全体の20%くらい。(微妙)
しかし、はバタービールを勧められた時点で、この計画に勘付いたのだ。 何故って、それはだから。(殴)
「悪いけど、男子寮で酔いつぶれるわけにはいかないの。 だから、貴方達のバタービールと交換させてもらったわよv」
いつの間に。
恐るべし、である。 流石、50%だけ忍者(日本)の血が流れているだけはある。 いや、だけだよって感じがしないでもない。むしろだけだ。 こういった所から、日本人の間違ったイメージが生まれるのだろう。
「さーて♪明日も早いし、私はこれでお暇しようかしら?」
は、チラリと強力な睡魔と格闘しているジョージとフレッドを振り返る。 そして、そっと2人に布団を掛ける。
「じゃ、帰るわね。そんな所でご苦労様、リー。」
『おやすみv』と、は部屋を後にする。
「……強いなぁ…」
そんな声が聞こえて、ベットの下からリーが這い出て来た。(功労賞) ベットから這い出て来たリ−は、すでに完璧に眠りの虜となった悪戯好きの親友2人を見、
「まぁ、これ見たら“仕返し”はしなくなるかな…」
と、今さっき撮った写真をパタパタと振った。
そこには、
睡魔と戦うジョージとフレッドに、
優しい微笑みを浮かべて布団を掛けてやっているの姿。
「ライバル増えるのはあんまり好ましくないんだけどなぁ…」
『でも面白い』と、根っからのトラブル好きなリーはタメ息をつく。
次の日、
流石と言うか何と言うか、
二日酔いを逃れたジョージとフレッドの2名は、
リーから貰った(奪った)写真を胸に、
女子寮から姿を現したに抱きつき、
の両の頬キスを贈った。
当然は驚いたので、これで仕返しは成功したと言えよう。
しかし、
悪戯好きのツインズの目的は既にすり変わっており、
この日を境に、
は仕返し以外の理由で、
ジョージとフレッドに追いかけ回される事になった。
****************** +イイノガレ+
6500Hit…………v 6500Hitですよ?スッゲーーーーーーッッvvv(殴) ―……スンマセン。遅くなりました。(土下座) しかもまただよ。またドリームじゃないよ… ぜんっぜん双子夢ちゃうやんか…!!!!! ただ単にさん最強伝説に拍車を掛けてるだけじゃん! ―すみませんねぇカイリさん。 でもリクしたのは貴女!貴女です!! 返品可。
返品しても良いから生身に直接攻撃はやめて下さい。
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